巻き爪とは
足の親指にしばしば起こる爪の変形です。爪の横側が指に食い込んでしまうものを陥入爪といい、陥入爪を繰り返しているうちに次第に爪が横方向に彎曲して巻き爪になります。
原因は、「深爪」、「先の細い靴」、「指の傷」です。
ただ巻いているだけならば痛みもありませんので、放っておく方もいらっしゃるようですが、爪の変形が進行すると、爪が陥入したところに細菌が感染しやすくなり、赤く腫れてひどい痛みを生じたり、膿がたまったりします。激痛のために歩けなくなることもありますので、早めの治療をお勧めします。
超弾性ワイヤーを利用した治療
当院では「マチワイヤ(多摩メディカル社)」という特殊な超弾性ワイヤーを用いた巻き爪の治療を行っています。爪に穴を開けてワイヤーを通し、このワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して巻き爪を矯正していく治療法です。
超弾性ワイヤーはニッケル、チタン合金に特殊処理をほどこした合金製です。強く曲げても回復力が一定で、折れる事が ほとんど無く、曲げた状態でも数カ月以上にわたり強い回復力を発揮します。そのため刺入が簡単で、巻き爪の形を少しずつ矯正します。
ワイヤー装着時や矯正期間中に痛みは殆どありませんが、ある程度爪の長さ(2mm程度)が必要です。爪の伸び具合にもよりますが、1-2カ月ごとにワイヤーを入れ替え、6か月~12か月程度矯正します。
爪矯正治療の方法
爪が軟部から2mm以上伸びるのを待ちます。
爪の先端に穴を2つ開けて超弾性ワイヤを装着し、1~2ヶ月爪を伸ばすと矯正されます。1~2ヶ月後に爪を切ってワイヤを外します。弯曲が強い場合には繰り返します。
矯正可能な爪の状態
陥入爪(○)
巻き爪(○)
真菌感染(△)
真菌感染があると爪がもろくなっており、まず真菌感染の治療を行い、爪が割れなくなってからの矯正となります。
治療費について
自費診療となります。
- ワイヤー購入時:10,000円
- 一回交換:1,000円
超弾性ワイヤー1本で4回使えます。
よくある質問
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痛みは全くありませんか?
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爪には知覚神経が分布していませんので、治療手技中に痛みを感じることはありません。局所麻酔は基本的には用いません。爪の周囲の炎症が強い場合には痛みを感じることがあります。矯正に伴う痛みが生じることがありますが、一時的なものです。
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治療期間はどれくらいですか?
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足の爪が伸びる速さは1ヶ月に2mm程度です。爪全体の変形を矯正するまで治療を続ける必要はありませんが、半年から1年かかります。通院は基本的には1、2ヶ月に1回程度です。
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治療中のスポーツや入浴は可能ですか?
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スポーツも入浴も可能です。