骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1,000万人以上の患者さんがいると言われています。脳卒中、老衰に次いで寝たきりになる理由の第3位が骨粗鬆症による骨折であり、高齢化社会の現在、骨粗鬆症の治療と骨折の予防が大切になってきています。
症状
- 腰や背中が痛む
- 背中が丸くなる
- 背が縮む
- 転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなる
原因と病態
- 加齢
- 遺伝体質
- 日光浴不足
- 女性ホルモン不足(閉経後)
- 栄養不足(カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質など)
- 生活様式(運動不足、喫煙、飲酒など)
体の中の骨は生きています。同じように見えても、新たに作られること(骨形成)と溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。骨粗鬆症はこのバランスが崩れることにより起こり、骨がスカスカになってきます。上に挙げた原因が考えられますが、骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。
検査
骨密度測定は、機器によって測定方法や測定部位が異なります。当院では、現在最も信頼性の高い DXA法(二重エネルギーエックス線吸収測定法)を導入しています。DXA法とは、二種類の異なるエネルギーのX線を用いることによって、筋肉や脂肪などに関係なく骨成分だけを測定する方法です。
骨密度検査
当院では、DXA法により
- 腰椎正面、大腿骨頚部の骨密度を測定しています(骨粗鬆症による骨折が生じる部位であり、その当該部位を測定することで、最も直接的に骨の状態を評価することができます)。
- 検査は、検査台に5分ほど仰向けに寝た状態で行います。
- X線の被曝量は、胸部X線撮影の約10分の1程度とごくわずかです。
検査、結果の表示、診断までスムーズに行えます。
予防と治療
骨粗鬆症は、予防が大切な病気です。
予防
- 転ばないように注意する
- カルシウムを十分にとる
- ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムをとる
- 適量のタンパク質をとる
- 禁煙し、アルコールは控えめにする
- 運動、日光浴をする
治療
内服薬や注射<カルシトニン薬、副甲状腺ホルモン薬(テリパラチド)など>による治療を行います。骨折した場合は、それに応じた治療が必要です。予防と同様、運動療法、食事療法も重要です。
60歳以上の女性の5人に2人が骨粗鬆症であると言われています。早い段階から定期的に骨密度を測定することも、骨粗鬆症、骨折の予防になります。測定、診察をご希望の方は、お気軽にご相談ください。